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8月, 2019の投稿を表示しています

【2019年度ふぇみ・ゼミ】前期第2回 TA感想リレー(15)

こんにちは!TAのKです。 たいへん前になってしまいましたが、6/26に堀江有里さんを講師にお招きして「天皇制とジェンダー/セクシュアリティ」をテーマに講義していただきました。 「天皇制」という制度がどのように家父長制とつながり、そして私たちの権利を脅かす論理と繋がっているのか、ご自身の立場・個人的な立場から切り込んでくださいました。 元号が「令和」にかわり、祝福・お祭りムードと前天皇への称賛の報道のなか改元が迎えられた5月、天皇制について深く考えたことのなかった私ですら、あの異様な盛り上がりに疑問を感じました。 いままで以上に日本全体で「天皇」という存在、そして「天皇制」への注目が高まっていた時期でした。 正直戸籍制度や天皇制はあまりに大きすぎて、自分にとって個人的に関係があることとは思えず疑問を持つ対象ですらなかったのですが、 今回の堀江さんの講義で国が大きく掲げている制度は無意識のうちに国民の価値観や考え方を左右してしまっていると気づくことができました。 まただからこそそれらの制度が決して自分と無関係ではないと、ひとつひとつの制度が持つ意味とそこから繋がる現状を認識する義務があったのだと思いました。 学びと、新しく気付けたことが多い講義でした。 暑い日が続いておりますが、皆様どうぞ体調にお気をつけてお過ごしください。 ーーーーーーーー 講師 堀江有里(ほりえ ゆり)さん 日本基督教団なか伝道所(横浜寿町)牧師のほか、首都圏の大学や神学校で非常勤講師として、社会学やジェンダー論、宗教研究、実践神学などの授業を担当しています。京都生まれ、神奈川育ち。研究領域は社会学、レズビアン・スタディーズ、クィア神学。 「レズビアン」をとりまく社会制度に関心があり、最近は、首都圏の市民運動との出会いがきっかけで、戸籍制度とのかかわりから天皇制の問題についてあれやこれやと考えています。 テーマ 「天皇制とジェンダー/セクシュアリティ」  日本国憲法は天皇条項からはじまりますが、多くはほとんど意識せずに日常生活を送っているのではないでしょうか。今年は「平成」が終わり、あたらしい時代を迎えます。天皇代替わりをめぐる問題点をジェンダー/セクシュアリティの視点から批判的に考察します。 推薦図書 加納実紀代(2002)『天皇制とジェンダー

【2019年度ふぇみ・ゼミ】前期第4回 TA感想リレー(16)

こんにちは。TAのYAです。 蒸し暑い日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。 わたしは暑い日は持ち歩きの扇風機を使ってしのいでます。 さて、7月28日は山本めゆさんをお招きし、「性暴力被害者の帰還はいかに危険視されたのか-引揚港における中絶の実施に注目して-」というテーマでゼミが行われました。 1946年春に朝鮮半島や満州からの集団引揚げが行われた際、引揚港で引揚女性の中絶が行われました。 従来、堕胎罪で捕まる恐れもかえりみず、現場で身を削って中絶をした医師などの献身が注目されてきました。 しかし、国土の外縁とも言える引揚港に妊娠や性病に罹患している女性を迎えるための施設が、検疫の一貫として設置されたことが軽視されてきたのではないでしょうか。 どのような背景から中絶が行われたのかを学ぶゼミとなりました。 引揚港は引揚船に乗った人々が始めに着く場所です。日本の領域、「日本人」とか誰かが問われる日本の再編の最前線、国土の外縁とも言うべき場所です。 その場所に、検疫業務の一つとして厚生省主導で中絶を想定した婦女子のための相談所が開設されました。 約1割の人々が日本以外で敗戦をむかえ、国外で難民化した日本の人々は病死や暴力で亡くなることもありました。また、性暴力も多発しました。その結果、性病に罹患したり、妊娠した女性たちがいました。引揚港で性暴力被害者に向けられたまなざしとはどのようなものだったのでしょうか。 性暴力被害者は性病と「混血児」の脅威とみなされました。 「混血児」は宿した女性よりも加害者を想起させるとのことで憎悪の対象となりました。まなざす人々の側で「日本人」ではないと人種化されました。 また、引揚げは復路にあたりますが、一方で入植という往路があったことも忘れてはならないとお話がありました。 往路と復路、両方を見ていくことが大切であり、そのことをどう語り継いでいくべきかがわたしたちの課題なのかもしれません。 質疑応答では、戦争と性暴力の関係について、また性暴力被害者の語りについてなどのディスカッションが行われました。 充実した講義と時間が足りなくなるほどの活発なディスカッションで、とても刺激的なゼミとなりました。 そして、ゼミのあとは、アフターパーティーとしてゼミ受講生による企画を行いました。 ふぇみす

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