4月24日に実施しましたふぇみ・ゼミ無料公開ガイダンスにて、昨年度から受講してくださっているゼミ生2名(葉山さん、佐々木さん)がご自身の感想や経験についてお話ししてくださいました。
以下、発言を改めて紹介します。
◎葉山さん
こんにちは。
昨年度からふぇみ・ゼミを受講している葉山と申します。
私からは受講生の感想として、
・ふぇみ・ゼミの授業を受けてどうだったかということ
・ふぇみ・ゼミのメンバーで行ってきた運動に参加しての感想
の2つをお話しさせていただきます。学問と運動の両方を相互に連関させているのが、ふぇみ・ゼミの魅力であり、強みだと感じているので、そこをお伝えできればと思います!
最初に、ふぇみ・ゼミを受講しての感想です。これに関してまず言いたいのは、授業を通して色々な属性の人たち、色々な問題と出会えたということ、またそれによってインターセクショナリティ(差別の複合性)について学べたということです。
やはり、自分の角度から見えにくい問題は誰にでもあります。それどころか、時には見えていないことにすら気づけなかったりもすると思います。私は、そういった部分に対する想像力をふぇみ・ゼミの授業から培うことができました。もちろん、今でも知らないこと・見えていないことはたくさんあるのですが、何か指摘された時に立ち止まって考えられるようになったと思います。また、色々な問題について考える時にもインターセクショナリティという視点はなくてはならないものなので、身に付けられて非常によかったです。自分は問題の軸によってマイノリティにもマジョリティにもなると学んだことで、自分の立場性を問いながら問題に関わっていくことができるようになりました。
その他にありがたかったのは、運動のサポートをしてもらえることや、他のイベントのアナウンスをしてもらえることでした。
次に、ゼミ内の活動に参加してみての感想に移ります。これに関しては「あいトリ≪平和の碑≫撤去に反対する有志グループ(以下、あいトリ有志グループ)」と「ふぇみ・ゼミ×トランスライツ勉強会(以下、トランスライツ勉強会)」の二つに絞ってお話しします。
まずは、あいトリ有志グループについてです。こちらは、あいちトリエンナーレ2019の企画展「表現の不自由展・その後」および≪平和の碑≫展示中止に反対する有志グループで、一人のゼミ生の呼びかけによって活動が始まりました。
このグループの特徴として一つ重要なのは、このグループが「≪平和の碑≫の展示中止は日本軍戦時性暴力/性奴隷制サバイバーへのセカンドレイプであり、性差別、民族差別である」という視点から、この事件に反対してきたということです。この事件は一般には表現の自由の侵害であるという風に語られてきましたが、このグループは、根本にあるのはそれだけではないと主張しながら活動してきました。
また、主な活動内容には、署名を集めて提出したことや、自主ゼミイベント開催などがあります。最近ではさいたま市が埼玉朝鮮幼稚園をマスクの配布対象から外した事件への抗議声明も出しています。詳しくはこちらのブログ(https://aitoritekkyohantai.blogspot.com/?m=1)または、Twitterのアカウント(@aitori_shomei)をご確認ください。
そして、こちらの活動に参加してよかったことが、大きくわけて4つあります。
1、運動のやり方を実践的に学べたこと。
2、日本の加害の歴史や、≪平和の碑≫がどういった作品かなどについて、運動の中で理解を深められたこと。
3、運動は勉強と並行してやっていくものだと理解できたこと。
4、他のメンバーから良い影響を受けたこと。
文字数の都合上詳しく掘り下げられないのですが、どれも私にとってはとても重要なことです。あいトリ有志グループは、何もわからない中で飛び込んだ初めての運動だったのですが、その中で貴重な経験を積むことができました。そして、それは運営委員の方たちからのサポートと、他のメンバーの熱意、行動があってこそでした。お世話になった方々にこの場を借りてお礼を言いたいです。
また、あいちトリエンナーレ2019および「表現の不自由展・その後」は終わってしまいましたが、この問題は様々な形で波及し続けています。有志グループも活動を継続していきますので、応援していただけると幸いです!
次に、トランスライツ勉強会についてです。
こちらは、フェミニズムにおけるトランス差別に抵抗するためのグループで、今は内部勉強会とTwitterでの情報発信を行なっています。また、ガイドブックの作成やイベントの開催を今後の目標にしています。
こちらの活動の中でよかったことは、大きくわけて2つです。
1、トランス差別について他のフェミニストと考える場ができたこと。
2、発信をしていく中でトランス差別に問題意識を持っている人たちがたくさんいるとわかったこと。
また、この活動を始めるにあたって、インターセクショナリティが広く共有されていることの重要性を強く実感しました。
トランスライツ勉強会は私も呼びかけ人の一人なのですが、そもそもなぜやりたいと思えたかというと、ふぇみ・ゼミ生と一緒にやる企画だからという部分が大きいです。インターセクショナリティをだいじにしているふぇみ・ゼミだからこそ、ゼミ生の間でもそういった視点が共有されているという安心感があります。女性と一口に言ってもそのカテゴリーの中にはいろんな人がいて権力関係もあるよね、という共通認識がある人たちとなら、フェミニズム内でのトランス差別も一緒に考えられるということで、メンバーを募るに至りました。なので、ふぇみ・ゼミは、ここに来ている人となら一緒に運動できる/していきたいなと思えるコミュニティです。先輩フェミニスト、アクティビストである運営委員だけでなく、受講生のこともこれだけ信頼できる場というのはなかなかないように思います。これもふぇみ・ゼミの魅力の一つですね。
最後になりましたが、ふぇみ・ゼミは学問と運動の双方でとっておきの学びを提供してくれるゼミナールで、フェミニスト、アクティビストとしてステップアップするための貴重な場です。迷われている方はぜひ参加されると良いと思います!私も今年度の講座がとても楽しみです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
◎佐々木さん
2019年度、2020年度ゼミ生の佐々木です。
顔と名前を出して発信するのは初めてで緊張しています。
よろしくお願いします。
まず、昨年度のふぇみ・ゼミの感想なんですけど、すごく楽しかったし充実していました。
毎月毎月の講座や読書会が非常に刺激的でした。
運営の姿勢そのものから学ぶことも多かったです。
障害者の方や、セクシャルマイノリティ、国籍や民族など、
さまざまな人がすでに共にいるという前提に立ち、
フェミニズムを学びたいという意欲のある若者のだれもが参加できる場であるために、
全力で取り組んでいらっしゃる場所だと感じています。
私もたとえば教室で机を動かすとか、簡単なことから協力して、参加しています。
この場で何が起きているのかじっと見ることで、学べるものがたくさんあると思います。
次にゼミ生が立ち上げたり、ふぇみ・ゼミを通じて参加した活動についてお話します。
葉山さんからもご紹介いただきましたが、
私たちは「トランスライツ勉強会」という新しい活動を始めました。
トランス差別に抵抗するために、現在はオンラインで読書会とミーティングを重ねています。
2018年の7月ごろから、Twitterなどでフェミニストを名乗る人たちから
トランスジェンダーに対する差別的な言説が発されて、問題となっています。
今年の2月に『現代思想3月臨時増刊号』に千田有紀氏の文章が掲載され、
おおいに疑問を感じたことが勉強会のきっかけの一つです。
フェミニストとして、今自分が何をしたいかを考えて行動を起こしました。
他にも、ふぇみ・ゼミで学ぶ中で、日本軍戦時性暴力の問題に出会い、
韓国の若いフェミニストと出会いました。新しいプロジェクトも計画中です。
最後に、オンラインではあるけれど、積極的に交流していきたいと思っています。
今年度もよろしくお願いいたします。
ありがとうございました