スキップしてメイン コンテンツに移動

【2019年度ふぇみ・ゼミ】後期第4回 TA感想リレー(19)



こんにちは。TAのASです。梅に続き桜もほころんできましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

1月15日は、アジア女性資料センターの事務局で『女たちの21世紀』の編集などに携わっていらっしゃる濱田すみれさんを講師に招き、ゼミを開きました。

講義内容は、アジア女性資料センターについて、24条変えさせないキャンペーンについて、ウィメンズマーチ東京についてという3本柱です。

アジア女性資料センター(HP: http://jp.ajwrc.org)は、暴力のない公正で持続可能な社会に向けて、女性たちのエンパワーメントのために、国境を越えて行動するフェミニスト団体です。主な活動内容としては、機関誌を通した情報共有やセミナー・イベントによる教育機会の提供などを行なっています。

前身となる「アジアの女たちの会」は、日本の戦争責任を問い、再びアジアの人々を抑圧する側に立ちたくないという出発点で1997年に発足しました。さらにセンターを1995年に設立し、2002年に亡くなるまで代表を務められたのが松井やよりさんです。
松井さんは新聞記者・活動家として、公害、貧困、買春観光、戦争の傷痕など様々な問題を精力的に取材しました。
定年退職後にはいくつもの国際会議を成功させ、中でも晩年に開催された「女性国際戦犯法廷」(2000年)は国内外で大きな反響を呼びました。
彼女の遺志を受けて早稲田の「女たちの戦争と平和資料館(wam)」が設立されるなど、現在も多くの女性アクティビスト達に勇気と影響を与えています。
酷い女性差別があっただろうことは想像に難くない当時の職場環境で、プロの記者として次々と社会問題に切り込み、退職後も女性たちのために奔走しつづけた松井やよりさんの人生に深い感銘を受けました。

さて、今回の講義テーマは、「憲法24条と私たちの暮らし・生き方」です。講師の濱田さんは「24条変えさせないキャンペーン」の実行委員も務めていらっしゃいます。
そもそも、日本国憲法第24条がどういうものかピンとくるでしょうか。9条ほどには知られていないかもしれません。
この条文は、婚姻などについて記載されており、「個人の尊厳と両性の本質的平等」というキーワードが登場します。24条は、「家制度」を廃止し、生き方による差別・ジェンダーに基づく暴力を根絶するための根拠になっているのです。

しかし、自民党の草案では、国家の基本単位を個人ではなく家族に定めるなどの改正がなされようとしています。
実際に現行憲法と自民党改憲草案を並べて比較してみるとその差は明瞭で、「家族」や「国」が重視され「個人の尊厳と両性の本質的平等」の尊重が薄れているという印象を強く抱きました。

そして、来月3月8日は「国際女性デー」です!
この日には世界中で様々なアクションが実施されますが、東京でも2017年からウィメンズマーチが開催されています。
ジェンダーに基づく差別や暴力をなくしたいという思いを同じくする仲間たちと、出会い、一緒に歩く特別な機会です。

濱田さんによると、「ウィメンズマーチ東京」が大切にしていることは以下の通りです。
 * 国際女性デーに世界中で行われるアクションと連帯する
 * 世界と連帯しながらも日本独自の社会的背景や直面している問題から目をそらさない
 * 参加者は「お客さん」ではない。自分のために歩く
 * 暴力的・差別的な発言は禁止

今年も3月8日(日)にマーチが予定されていましたが、残念ながら、コロナウィルスの感染拡大防止のため延期が決定しました。

また次の機会に皆さんで一緒に歩けたらと楽しみにしています!
それでは、時節柄どうぞご自愛の上お過ごしください。

--------------------------------------------

講師:濱田すみれさん
テーマ:「憲法24条と私たちの暮らし・生き方」

詳細:
濱田すみれ(はまだ すみれ)
アジア女性資料センター事務局。1984年東京生まれ。自由の森学園高校卒業後渡米し、Virginia Marti College卒業。アパレル会社勤務などを経て、アジア女性資料センターの事務局に。「女たちの21世紀」編集やジェンダーに関するセミナー・ワークショップの企画運営を担当。2017年から毎年、国際女性デーに「ウィメンズマーチ東京」を開催している。

テーマ
「憲法24条と私たちの暮らし・生き方」
家庭生活における個人の尊厳と両性の平等を謳う憲法24条の存在や意義は十分に知られているとは言えません。しかし、この条文は、女性に対する抑圧や差別を生み出したイエ制度の廃止をもたらしたほか、家族のなかでのジェンダーに基づく差別や暴力を根絶するための重要な根拠条文です。改憲勢力が3分の2以上の議席を占め、改憲に向けた動きが加速化しそうな今、24条が私たちの暮らしや生き方にどのような意味があるのか考えます。

推薦図書
中里見博、能川元一 、打越さく良、立石直子、笹沼弘志、清末愛砂 著(2018)
『右派はなぜ家族に介入したがるのか  憲法24条と9条』大月書店

このブログの人気の投稿

[お申し込みはお早めに!]ふぇみ・ゼミの本講座スタート

ガイダンスにはたくさんの方のご参加をありがとうございました。 リアル参加、オンライン参加合わせて60名以上のご参加をいただきました。 さて、5/11より、ふぇみ・ゼミの本講座スタートです!  ライブ配信は、回数券購入が現在ゆうちょ口座への振込・振替のみですのでお早めにお願いします。 (後からのお申込みでも録画をご覧になることはできますが、生参加ができません) また、現地参加の方も、会場はお申込みされた方のみにお知らせしております。どうぞよろしくお願いいたします。 ガイダンスに参加できなかった方は、下記に登録すると、ガイダンスの記録映像もお送りさせていただいております。 お申込みURLはこちら→  https://goo.gl/forms/ulzwk519NlmYVDD32 (受付終了しました。)

2020年度 ふぇみ・ゼミ 申し込み受付開始します!

お待たせしました。 2020 年度ふぇみ・ゼミの受講受付を開始いたします! ①以下のグーグル・フォームから登録してください。 https://forms.gle/e4d5PDxQzsKAoFaX7 〈春期(全面オンライン)4回券〉  学生 3450円[Peatixチケット]  一般 4350円[Peatixチケット] ※Peatixでのお支払い (クレジットカード利用可) の場合、手数料分が上乗せされています。 学生 3200円[口座振込み] 一般 4000円[口座振込み] ※ふぇみ・ゼミには 年齢制限 があります。18歳-20代まで、30代はジェンダー初学者のみ受講可能です。 年齢制限についての考え方は こちら をご確認ください。ただし、5000円以上の寄付をくださった方には(寄付の方法は こちら )、ゼミの映像をお届けすることが可能です。年齢制限で受講できないという方は、あわせてそちらもご検討ください。 ②グーグル・フォームでの登録が完了しましたら、 受講料のお支払いをお願いいたします。 Peatix でチケットをご購入いただくか(クレジットカードが使えます)、以下の口座に受講料を振り込んでください。 振り込みが完了した時点で受講手続き完了となります。   <ゆうちょ銀行から>  振込先 <振替口座>  口座記号番号:  00180-6-635357  口座名称(漢字):ふぇみ・ゼミ運営委員会  口座名称(カナ):フェミ ゼミ ウンエイイインカイ  加入者払込・払出店 :中野新井    <他行から振込>  銀行:ゆうちょ銀行  店名:〇一九  店番:019  貯金種目:当座預金  口座番号: 0635357  ふぇみ・ゼミ運営委員会   新型コロナウィルスと、煽られる危機に疲れていませんか? 危機が煽られるとき、日常にいつもあった差別は増大し、社会的に弱い立場の人を襲います。   こんな時こそ、性別のみならず民族、人種、障害、セクシュアリティなど、「切り捨てられる」側の目で社会を見る、インターセクショナリティをベースにしたフェミニズムを手放すことはできません。 ふぇみ・...

トランス排除に反対するフェミニストの声明

トランス排除に反対するフェミニストの声明   2020 年 8 月 18 日、 NPO 法人ウィメンズ・アクション・ネットワーク(以下、 WAN )のウェブサイトにトランス排除的なエッセイが掲載されたことに関連し、ふぇみ・ゼミ生を中心とした自主グループ「ふぇみ・ゼミ × トランスライツ勉強会(以下「勉強会」)から WAN に宛てて、 10 項目にわたる 公開質問状 が出されました。なお、「勉強会」はふぇみ・ゼミとは独立した自主グループですが、ふぇみ・ゼミは若者の活動を育てることを活動目的の一つとしており、今回も「勉強会」の活動を支援しています。  回答期限である 8 月 31 日、「 WAN 編集担当」より「 公開質問状への回答 」と題する文章が「勉強会」宛てに送付されました。しかしそれは、質問状中の大半の質問に答えていないばかりか、情報発信側に問われている責任をまったく理解していないと思われる、大変不誠実な内容でした。さらに、公開質問状が NPO 法人 WAN の「組織としての」回答を求めているにもかかわらず、現在に至るまで、理事会からは何らの応答もなく、差別や人の尊厳・人権といった課題に対し、 WAN が組織として対応できないことを露呈した形になっています。  近年、日本でも、フェイクニュースやヘイトスピーチの拡散に SNS 等のインターネットプラットフォームが大きな役割を果たしていることが、 社会問題として認識されています。 情報発信側には、正確で信頼のできるコンテンツを提供するとともに、特定の人々(とりわけ、社会的に脆弱な位置に置かれている人々)の存在・尊厳・人権を危険に晒すようなコンテンツを掲載しないこと(万が一、掲載された場合は時を移さず削除すること)が責務として強く求められる時代になっています。そうした中での今回の WAN の判断・対応は、 WAN がこの時代のインターネットプラットフォームを運営する主体としてふさわしくないという事実を明らかにしています。現在、多くの人たちが、自身が執筆した記事を WAN サイトから引き上げる活動(ボイコット)に参加しているのは、このためでもあります。私たちふぇみ・ゼミ運営委員は、 WAN のプラットフォームとしてのあり方を問い、トランス排除的なフェミニズムに反対するゼミ生の活動を強く支持します。同時に、今回素早く問題...

ふぇみ・ゼミイベントカレンダー